Ken Mizunoのタバコのけむり?

Hangeul-Lab Ayase, Tokyo
Ken Mizuno

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(20050604-1) 僕自身のパソコンの電源故障

つい先日、4度めの夏をむかえる直前、ツマ子用パソコンの電源が死んだ。そのときは、既存の TV 録画を再生している途中で、予告もなく プツンと切れた。「4度めの夏をむかえる前」、つまり ちょうど まる3年だった。装置の能力としては、たしかに 1.6G Pent-IV、256M メモリ、DVD 再生ドライブ 1台、HDD 3.5インチが2台、TV チューナーボードを駆動して それを (当時) 120GB HDD に記録してきたので、キャパシティぎりぎり、またはキャパシティをやや超えて動作してきたことになる。ご参考までに、この電源装置 (という名前の小箱) 自体の大きさは、裸のフロッピー・ドライブないし 3.5インチ HDD くらいの大きさでしかなかった。この大きさで、内部の発熱は大きいから、メーカー出荷時には やや騒音レベルの高い 20mm くらいのファンが付いていた。それが うるさいので、僕は 「静音型」 ファンに交換していたのだから、ま、自己発熱による故障・昇天は自然な結果と受け止めることができる。
その 「反省」 というわけでもないのだが、このサイズの電源装置は秋葉原でも見つからず、結局 「外付け」 電源装置に置き換えたことは 既に数回 書いた。

さて、昨夜。
僕自身のパソコンに動作異常が起こった。
詳細はすべて省略して、「予告もなく プツンと切れた」 のではなく、予兆が既に数ヶ月前からあった後、昨夜 最終的に 電源が入らなくなった。
この機械は 「動けばよい」 前提で、「ベア・ボーン」 キットに一切 手を入れず組んだだけの Celeron 1G、メモリ 128MB。ただし、「機械を選ぶ」 DVD ドライブ 兼 CD-ROM ドライブが付いている。この他は 普通に HDD 80GB、普通の FDD。それが、「キットに一切 手を入れず組んだだけ」、まったく同じ 「まる3年」 で、同じように電源が昇天した。「予告もなく プツンと」 でこそなかったが、同じ期間の後に 同じように昇天したわけである。

この機械に付いていた電源装置は、やや大きい。細長い箱で、全長 19cm ほどある。公称 150W。装着してあるネジとその隙間に、焼け焦げの痕がある。この大きさだと、秋葉原で似たようなものがある。公称 200W。比べてみると、「細長い」 断面は まったく同じ、ところが 200W 装置のほうが 小さい; 正確には 15cm で、長さが 4cm 短いのだ。
ふむ、3年の間に 電源装置も小型化しているのだな、とは思ったが、一方 さらによく見ると、死んだ電源装置では 基幹となる 「+3.3V & +5V」 が 80W、新しい装置では それが 65W と書いてある。総パワーでは 150W 対 200W で上回るが、あらら。

ともあれ、パソコンそれ自体は復旧した。まだケースの中に組み込んではいない。それ自身の発熱を掃き出す冷却ファンの空気流、ケースを開けっぱなしのときと、ケースを閉じたときの差、その際 背面のフタを閉じるべきか否か、まだ結論に至っていないからだ。

有名、ブランドものの場合、この種の配慮は 出荷以前に徹底した検証とテストが行なわれる。その意味で、大手メーカー 「純正」 パソコン 1台 ¥30万 というのは、決して不当な価格ではない。ただ、それは家電製品としての 「パソコン」 で、家電製品の中を開けて 「改造」 する人は多くない。大手のパソコンは 「踏んでも、蹴っても、投げても」 壊れないのと同様に、秋葉原 「自作機」、「店頭組み立て」、あるいは 「ベア・ボーン」 は、踏めば壊れる、蹴ればへこむ、投げれば変形して元には戻らない。同じデンで、こうしてパソコン内部の各装置を随時 取りかえる 「マニア」 のパソコンは、こうして ある周期で部品の故障、不具合、寿命を取り替えながら維持するしかない、わけである。


(20050612-1) 週間日誌 (1) − 仕事: PCI スキャン と OS クラッシュ

開始後、すでに1年になる仕事、直接には5月に出て来たトラブルが解決したのが、10日(金) の夕方。プログラムのわかる方のご参考までに、C 言語で次のようなものだった。関数名から、OS やその機能まで想像できると思う:
誤: pci_attach_device( NULL, FLAGS, 0, --- )
正: pci_attach_device( NULL, FLAGS, index, --- )
わかる方には即わかるように、パソコン内部に複数のボードを装着して、そのそれぞれを1つのプログラムで (2つのプロセスとして、それぞれ独立して) 制御するのだが、「ある条件でのみ」、「ある操作をすると」 100% 確実に OS ごとクラッシュする (いわゆる 「フリーズ」 する)。結果 (原因) は上記なので、こうなると 「そもそも動くはずがない」 ものが、「なぜ動いたのか」 が問題になる。が、もう、よい。「動いたものを直すな ( Don't fix if it works ) 」 の格言通り、これ以上は詮索しないことにする。

僕のプログラミング・スタイルでは、まず机上、つまり紙の上にリストを出して、それを追ってみる。「漫然とながめている」 だけで、けっこう矛盾は発見できるものだ。が、この仕事は、数年前に既に他の OS で作成されたもので、しかも複数の実行スレッドが複雑にからみあって動作する。その解析を しきれず、ちょっと ノイローゼチックになっていた。
そこへ、幸い 自宅に Freebsd を維持している同僚がいて、各スレッドが呼び出す下位機能 (機能 = function、つまり C 言語でいう 「関数」) の階層構造を抽出してくれた。ふむ、これでトレースできる。

ところで、困ったことに、最近の 「開発」 環境は GUI が主流 (Microsoft C++ など、その典型) で、デバッガは そこから起動しなければならない。ところが、この、俗に IDE - Integrated Development Environment - は、ソフトウェア起動と同時に ハードディスクに大量の書き込みをする; 書き込みをしつつデバッガ画面に移って、そこでハングアップすると、まず確実に ディスクが壊れる; ディスクが壊れると、次にはもうコンピュータとして起動できないから、OS の再度インストールから やらなければならない ・・・ というわけで、別の同僚も苦労していた。

その意味では、救世主になってくれたのが、やはり Freebsd を維持していた同僚の、「ハードディスク R/O (Read-Only) 」 化の図式だ。これだと、IDE は上がらないから、そもそも開発もデバッグもできない − が、その代わり、RAM 上にディスク・イメージを展開する。
そこで、こうした: OS 起動時に、開発・デバッグ環境ごと RAMディスクに転送しておく; 一方、root ユーザ 「もどき」 をユーザ登録しておく (PCI スキャンなどは、一般に root で、そこから特権状態に入らないと実行できない)。立ち上がった環境で、その 「root もどき」 ユーザとしてログインする。IDE は、コンパイルも速い; デバッガの途中でクラッシュしても、安心して電気を切ればよい。

ここに至るまで、3週間。RAM ディスク上に擬似 root 環境を用意することを思いついたのが、1週間ほど前か。その準備作業に1日、雑用をはさんで、実際に RAMディスク上でデバッグ・トレースを はじめたのは、金曜の午後3時。5時から7時までの間に、結論が出た。「いつ落ちてもよい、平気で電源断できる」 デバッガの威力は大きい。


(20050612-2) 週間日誌 (2) − 台風が来るとインターネットが止まる話

古い恩師から久しぶりに電話をもらった。インターネットがつながらないという。雨。台風が関東沖を通過中だ。そういえば、先生、前にも台風が来るとインターネットが止まってましたね。

一夜 明けて、さらに電話が来た。まだ復旧しないという。
師の環境は、マンションまで届いている B-Flets 100M、それが壁際には電気で届き、そこにモデム、その先に 「数日 放置すると死ぬ」 ことがある Corega のルーターがつながっている。自然な類推で、師はルーターを疑う。僕も疑う。が、あわてて代替機を買っても、その設定が やや難しい。トラブルが 「台風」 の後に集中しているので、この際 NTT に調べさせたらどうかと申し上げてみた。

NTT からは、電話のリモート・コントロールで 現場診断があったそうだ。結局 モデム、ルーターとも電源を落とし、再度 モデム、ルーターの順に電源投入。これで復旧したそうだ。

僕自身の回線は ADSL だが、去年 同じように 台風の翌日、回線が死んでいた。電話診断と同時に、モデムの正確な型番を言わされた: そのとたんに原因判明。翌日にはモデム交換。モデムはレンタルなので おカネはかからない。
NTT は、現場に出て故障しそうな、または 「ある種のトラブルを必ず起こす」 モデムを把握していた。そのあたりだけは、さすがに NTT さん、管理は確実に行なっている。それは評価してよい。その意味では、プロバイダ込みの専門回線業者より、回線とプロバイダを別に契約する NTT 経由回線で 正解だったと思う。ただし、トラブル発生時には、それが NTT 回線によるものか、NTT の先の プロバイダによるものかを、自力で判断する必要がある点だけは、煩雑だが やむを得ない面はある。


(20050612-3) 週間日誌 (3) − 金魚: 「エサ金」 と呼ばれる 「品種」?

俗に 「小赤」 と呼ばれる雑種の金魚の中で、近所の店には 特に小さいのばかり集めた水槽がある。その中で、わずかに 「白」 が混じる かわいらしいのを見たのは 先週。
1匹 ¥31 だが、ここで衝動買いしてはいけないと、その日は置いた。翌週、行ってみると、驚いた、水槽は空、正確には死んだのが1、2匹 沈んでいるだけだ。貼り紙がしてあった。「価格高騰のため 当分の間 100匹 単位の販売 お断り」 とある。意味がよくわからない。

数日後。
まだ水槽は空。聞いてみると これは他の魚のエサになる金魚なのだそうだ。この前は、ごっそり買われていったらしい。
明日には また入荷するという。

土曜、子どもらを連れて行った。10才が2匹を選んだ。白が混じる1匹、めだか同然のサイズの小さなのを1匹。しめて ¥62。レシートには 「エサ金」 とある: これが 文字通り 「エサ」 になる 「品種」?であることを知った。

30cm、20L 水槽が、急に にぎやかになった。30cm の空間に、大小赤白黒が6匹。ちょうど、狭くなってきたので 40cm、26L 水槽を注文してあった。それが届いたばかりだ。あとは、今夜の水換え時点で 大きい水槽に取りかえるばかりになっていた。

まだ早い夜、7時ころか。事故が起こった。
買ったばかりの 「めだか同然」 の小さいのがいない。おかしいな。吸上げポンプの電源を止める。いない。電源を入れる: モーターが回らない。まさか。モーターの中を のぞいてみると、赤いめだかの上半身が発見された。取り除く; モーターが回り、下半身も水中に戻ってきた。全身が3つに分断されたようで、3つの破片を 10才 と二人で公園に埋めた。

その前後に、やはり 10才 が先月 金魚すくいの残念賞にもらったうちの1匹が、様子がおかしい。と思っているうちに、正立できず、水槽中を ただよっている。衰弱、自律神経系の異常を起こしているようで、これは薬品の過剰投与によることがわかっている。薬品への耐性は、個体によって かなり ばらつきがある。もう希望はない。バケツに移す。翌朝 死んだ。

土曜の午後、一瞬 「6匹」 でにぎやかになった水槽は、4匹に戻った。大きい水槽には、この4匹だけを移動させた。


(20050620-1) 金魚または強迫神経症

客観的に、過去半年の僕の 「金魚」 騒ぎは 「執拗」 なのだそうだ。そう。金魚漕に 異常に 「神経を使って」 いるのは、隠しがたい事実だ。神経症の詳細分類で行くなら、これは強迫神経症、あるいは不安神経症の一種だろう。四六時中 金魚とその水槽が頭を離れない。

「金魚」 が登場したのが昨年の 10月、それ以来、「生きているものを死なせるわけにはいかない」 という表面上の理由をもって、金魚水槽は今も維持している。当初の6匹が 39日で全滅した後も、店売りの金魚を買った。何のためなのか、わからない。ただ、何かに脅迫されているかのように、強迫的に飼い続けている。金魚が死に、残り1匹、2匹になると、金魚漕を空にしてはいけない、かのような強迫観念が、そうさせているらしい。

飼育日記の上でシリアル・ナンバーを振ってみると、なんと最後のものが #028。生存しているのが7匹なので、僕は既に 21匹の金魚を死なせている。最高生存記録は 94日、現存で最高生存歴を持つのは 70日、最短記録は 買った当日 吸上げフィルターのモーターに巻き込まれて死んだ 「エサ金」 0日である。つまり上の記事で死んだ2匹の、1匹。

1週間後には 残る1匹の 「エサ金」 も死んだ。
金魚の金魚たるゆえん、つまり遺伝子のかけあわせで様々な亜種が生まれ、維持されるのだが、その過程では 遺伝子 組み合わせ不良の例が大量に出る; それをプロの (つまり業者の) 世界では 「選別」 をくりかえして、商品価値の高いものだけを 「金魚」 として市場に出す。「選別」 とは 「排除」 を意味し、排除されたものは雑魚として処理される; 「金魚」 といえるまで成長する以前に、ある群は 「エサ金」 となる; その 「エサ金」 の中に、可愛らしいのを発見したのが、2週間ほど前だった。翌週、そういうのを2匹、10才に選ばせたことは書いた。1匹はめだか同然で、フィルター吸水モーターに巻き込まれて死んだことも書いた。残った1匹は、「小赤」 と異なる体形を持つもので、色の分布によってはブランド品種になると思われたのだが、残念ながら1週間で死んだ。

土曜の昼、10才はこの子が衰弱して死んで行く過程を観察していた。僕が外出している間に、携帯に電話が来た。
彼女が気に入った 赤白混じりの1匹。買った当日に死んだ1匹は おまけだったからこそ、本来選んだ1匹の推移が問題だった。これは、「補償」 または 「代償」 を必要とするケースだと思った。

その日のうちに、また別のペット・ショップ。そこには、正しく 「金魚」 に成長したのは大量にいるが、「選別」 排除された 「エサ金」 はない。やむを得ない; 「白赤」 の銘柄を探した。「エサ金」 と比べると大きすぎるが、「さらさ流金」 というのが ¥350、これを、10才が 「赤」 基調に白模様のを1匹 選択。1匹では死んでしまう危惧が常にあるので、僕が もう1匹を追加した。デメキンの体形だが 出目ではない、赤い色素を持つ、かつデメキン型の尾びれを持つ品種のようである。「かわいい超小型」 エサ金は、ど派手な流金になった。が、我が家の水槽に入ると、店先での あの華やかさはない。なぜなのだろう。照明のせいか、あるいは 激しい水の汚れによるのかもしれない。

この先が、僕の強迫神経症である。日曜、外出したついでにまた 「エサ金」 を見たら、「赤白混じり」 こそいないが、「赤黒混じり」 がいる。1匹 ¥31。これを2匹 買ってきた。店のおじさんは、「こいつら、まだ生まれて1年めだから、弱いかもしれないよ」 という。つまり、銘柄もの金魚はどれも1年+以上を経過していて、既に自然淘汰の中を生き残ってきたのだが、1年未満ではまだその淘汰の過程を経ていないので、死ぬかもしれないよ、という意味である − 事実、この 「エサ金」 水槽には、かなりの数の死魚、またはそれに近い状態のが含まれている。

こうして、水槽には7匹が、いまこの瞬間は同居している − 既に体長 80mm を越えたと思われる (かつて) 「小赤」 が 1匹、それを追う もう 1匹、かび様の白斑を示す黒の出目金 1匹、機能的に 「水泳」 に適さない体形を持つ 「流金」 が 2匹、本来は 「エサ」 になるはずの赤黒、体長 30mm 前後が 2匹。これらが いつ死ぬか、金魚に対してはサディスチックかもしれないと思いつつ、神経症のネタには事欠かない。

それに加えて、かえって水を汚す水草、新しい魚を入れるたびに白濁を起こす水槽、相変わらず 48時間はとうてい持たない水の汚れそれ自体、雑菌叢にもなる水槽底の砂利、金魚のフンを含むゴミ吸上げモーターと その 「金魚吸上げ」 事故、吸上げた水のフィルターも異常なまでに汚れが激しい ・・・ 「神経症」 のネタは無限に出て来る。こんなことなら、室内犬や猫のほうが、よほど簡単にちがいない。

ところで、「金魚」 の単価は、「エサ金」 ¥31、「小赤」 ¥50 程度。金魚すくい ¥100でも、残念賞は2匹ほど出る。黒の出目金 ¥250、「さらさ流金」 ¥350。それらに対して、ぶくぶくや 吸上げフィルター装置の値段、それらの使い捨てフィルター自体の単価などは、ごく普通の経済観念通りで、「金魚」 の値段とは比較にならない。熱帯魚なら 1匹 数千円になるからそれでバランスが取れるが、金魚を扱う以上 この金額的な矛盾、つまり金魚の値段に対する維持費の異常な高さだけは − 少しばかり納得の行かない面がある。どうであれ、魚が ¥31 であろうが ¥3,980 であろうが、フィルター装置もぶくぶくも、それらの交換フィルターも、水草も、薬品類も − 水槽自身も − 同じ値段なのだ。

「何のためにこんなことをやっているのだろう」。ただ、子どもが、「かわいい」 白赤混じりや流金に興味を示さなければ、あるいは僕も 金魚水槽を明日にでも処分するかもしれない。しかし − 生きているものを殺すわけにはいかない。ならば、死んでしまえばあきらめ、すべて死んだとき水槽も処分すればよいのだが、強迫観念的に 「水槽を空にしてはいけない」 と補充する。病気の病気たるゆえんは、そのあたりにある。ただ、唯一 肯定的な面があるとすれば、僕自身が子どものころ、母が水を換えていた金魚すくいの金魚と同様に、これが彼らの、幼いころの記憶の一部を形成するかもしれないこと、ただそれだけは、意味のないことではないだろうと、思う。


(20050622-1) カナダは多言語社会であるという認識

僕の職業上の 「専門分野」 は、「リアルタイム OS」 である。つまり、どんな動きをするかわからない Windows ではなく、かつ、Unix/Linux とも異なる、「ある何かが起こったら 何マイクロ秒(注)以内に どう対処する」 という方針を決め、それに従って各タスクが動作するよう、ソフトウェア的な設計をする、そういう世界である。
国産のリアルタイム OS には "iTRON" というのがあるが、これは公式規格は公開、ただし現実の実装 (つまり iTRON そのものを作ること) は、各業者にまかされている。従って "iTRON" を称する商品たちには限りないバリエーションがある。それら 「リアルタイム OS、iTRON 準拠」 を称する商品たちは、互いに差別化を画る目的で (つまり 「うちの商品は よそのとちがうぞ」)、様々な変更を加える。早い話、そもそもコンパイラがみんなちがうから、「よその iTRON のソフトは、うちの iTRON では動かない」。「リアルタイム OS」 一般は、歴史的に USA 製品を中心に販売されてきたが、ここまで乱雑・錯綜を極めたことはない。だから、僕の事実上の職場でも、iTRON を採用したことはないし、今後も僕自身が抵抗するだろう。
(注) 「マイクロ秒 μs」 とは 1/1,000,000 秒、「ミリ秒 ms」 とは 1/1,000 秒のこと。職場での僕自身の実測で、Windows では 「ある何か」 (割込み) が起こってからその処理の開始まで、3秒 = 3,000ms = 3,000,000μs かかった例がある。この応答速度だと、飛行機は落ちる; 新幹線は追突する。もちろん、車の制御にも使えない − ペダルを踏んでからブレーキがかかるまで3秒かかれば、たとえ徐行していても車の背後の幼児は下敷きになる。上り坂で踏み込んでからエンジン回転が上がるまで3秒かかると、橋の手前の上り坂でエンストするだろう。
その 「USA 製品を中心に」 販売されてきたリアルタイム OS は、しかし過去 20年の間にも、数種類しか存在しなかった。それが今となっては、(僕の認識では) 現実的に選択できるのは3種程度しかない。2つは、USA、そのうち1つが、1980年代の僕のアメリカ生活をもたらしたもの、もう1つは、僕は日本に帰ってから出会った。最後の1つが今度のもので、これは本社がカナダにある − この3つ、従ってご存知の方は 即 特定できるにちがいない。

で。
最近 扱っているのは、カナダに本社のあるそれである。
商品は 「OS」 なので、Windows とも Unix とも、本質的に異なる。だから、販売元はしばしば、客あるいは代理店を集めては 「セミナー」 を開く。その 「講師」 として出てくるのは、ある意味 「日本の代理店の中途半端な技術者ではありません、本社から派遣された西洋人です」 ということになる。僕はかつて 別の リアルタイム OS の USA 「本社」 にいたし、その類推から、こうしたセミナーに出て来る講師の質は知っている。彼らは、例えば C言語 そのもののエキスパートではないことがあるが、しかし自社商品については おおむね知りつくしている。この 「カナダ」 製品のセミナーも、少なくとも2度、聞きに行った。内容は、それなりに準備された教材で、それなりに、その OS の特質、特徴や、他の OS との際立ったちがいを説明するものだったから、それなりに満足してよいものだった。

ただ、
「カナダ」 は、多言語社会である。特に、この販売元の本社所在地はケベック。ここは、カナダ国内でも有名なフランス語 優勢地域で、2度ともちがう講師の英語による講義にも、強いフランス語訛りが認められた。例えば resource を 「リゾース [rizo:rs] 」 と発音されて、「ん?」 と思わないのが (英語に慣れていれば) おかしい。アクセント、イントネーションの類はおおむね USA 英語に近かったが、特に 「母音にはさまれた s 」 だけは、際立ってフランス語の有声化つまり z 音になるのが目立った。2度とも、それぞれ講師に家庭環境、生活言語などの状況を聞いてみたが、家庭外の社会生活はおおむね英語、私生活ではしばしばフランス語が出てくると言っていた。

さて、ビジネスの具合で、事実上の職場の上司が、その本社に行って来た。「会社社会」 の常で、出張みやげが社内に配られた。あらら、メープル・シロップね。パッケージをばらしたのが社内に配布されたらしくて、個々の小瓶には賞味期限も書いてない。それはいいのだが、しかし その小瓶のラベルが、うーむ、さすがにケベックですね: 商品名は、左にフランス語、右に英語。背面の説明は、あくまで上段がフランス語、下段が英語 − ふむ、ここはやはりフランス語圏なのだ。

1980年代に僕がいた USA は、カナダ国境まで車で3時間程度、つまり 300Km 程度の位置にあった。この地域の地名には、フランス語系と思われる綴りが多かった。が、それにもかかわらず その 「フランス語系」 地名は 完全に英語化して発音されていた。が、3時間 北上すればカナダ、ケベック。そこには行ったことがない。そのケベックは、今も 「ケベック独立運動」 が存在すると言われるほど、フランス語が まだ生きているらしい。

実は、この 「会社」 の所在地だけでなく、この 「リアルタイム OS」 には、ソフトウェアの文字系の扱いに際立った特徴がある。つまり、英文 ASCII 128文字だけではすまないフランス語表記、それに − これも歴史的な理由によるのだが − 東洋圏3国つまり 日本・中国・台湾との関係から、そこでは Unicode が使われる。ではフランス語も Unicode かというと、そうではない、ISO8859-1 だったかの、あくまで単一8ビット・コード系である。この矛盾については、また機会があれば説明したい。

ともあれ、カナダは 「英語圏」 とは限らない。
香港が中国に返還された 1997年、香港から 「中国」 を忌避しての移民の最大の移動先もカナダだった。この 「移民」 は、学生でなければ 多く香港ビジネスの資本移動を伴う、彼らの生活拠点そのものの移動でもあった。その話も、そのうち詳しいことがわかれば、また。もちろん、USA と同じかそれ以上の 「韓国系」 住民が、この国にはいる。ただし、日本人は あまり多くないはずである。


(20050627-1) 金魚のポンプ、TV、冷蔵庫、エアコン、HDD ・・・ の寿命

先週だったか、金魚のぶくぶくが止まった。最近パワーが落ちてきたな − 泡の出方が弱くなってきた − と思っていたが、ついに止まった。
幸い、死にかけたのを隔離しておけるよう、予備が買ってあった。これにとりかえると、元気なぶくぶくが戻ってきた; そういえば、この前 死にかけた1匹を洗面器に隔離したとき、予備のぶくぶくポンプを使ったら、「泡」 が作り出す上昇水流に、死にかけの金魚は抵抗できず、洗面器の中で翻弄されていた。衰弱して、魚が水流に抵抗できないのだ。まして、新品のポンプだったから、なおさら。
止まったポンプは、昨年 10月、下の子が金魚すくいで もらってきた6匹、それ以来のものだ。通算、8ヶ月。最新型 「サイレント」 をうたう中で一番 小さいものだったが、8ヶ月で寿命がきた。1000円もしないし、そんなもんかもしれない。そもそも 「金魚」 など 「すぐ死んでしまう」 なら、それほど長寿命、高品質を求められるわけではない。

コンピュータのハード・ディスクは、通電・回転しっぱなしで おおむね 5年 もつ。
キーボードは、使い方次第。
CRT もつけっぱなしで数年; 電源の 入・切 が激しいと、高級な壊れ方では電子銃が、低級な壊れ方では 電源スイッチ自体が壊れたことがある。職場では、17インチ カラー CRT の電子銃の、"RGB" の R だけが死んだ、つまり 「赤」 だけが真っ黒に出る故障に出会ったことがある。白黒画面なら読めるが、カラー画面では重大な部分 「だけ」 が見えないという、おそろしい結果になる。

液晶は、「液晶」 という素材そのものの寿命が 10年と決まっていて、時計でもワープロでも、そのくらいで 画面上の文字が判読不能になる。事実、僕の父の 「ワープロ」 は、故障もしていないのに画面が次第に暗くなって、ついに使えなくなった。ただしパソコン・モニターの液晶では、それ以前に 電気部品の寿命が来るだろう。

TV や冷蔵庫は、新婚家庭の電気製品が 10年あたりで次々を故障しはじめるというので、その程度。
我が家は、「新婚」 時代に 「買い揃えた」 ものがないので、「いっせいに次々と故障」 はないが、洗濯機は2代め、扇風機は毎年2台くらい買うハメになる (扇風機は、僕は学生時代に買ったのを 20年以上使った経歴がある。これが壊れたのは、子どもが成長してからだ。子どもが扇風機のクビをひねるから、最近は毎年 2台 こわれては買いなおす。最近は扇風機が なんと ¥2,000。 大学生だったころは、¥2万以下のを苦労して探したのだが)。

アパート付属のエアコンは数度 故障しているが − ちょうど さっき、これのリモコンの液晶が消えた; 明日 管理会社に電話しなければ。給湯もついに先日 13年で停止。自前で買った窓用エアコンも たしか4年か5年めの夏に故障して買い換えた。そういえば、VHS のデッキは、現在の 10才が 赤ちゃんだったころから 既に3代め。パソコン DVD の寿命は、これからだ。

ついでだが、金魚の 「ぶくぶく」 以外に、水槽底からゴミを吸い上げるフィルターの 水中モーターがある。
これは 一度 「エサ金」 を巻き込んでいる。これもパワーが落ちてきたようなので新品と比べたら、3割くらいか、能力が落ちている; が、それ以上に、改めて掃除してみたら、あのとき巻き込んだ金魚の体の部分が、いろいろ出てきた − 見ていた 10才の子には 「忘れろ」 と命じた。
パワー落ちは、しかし吸い上げ用パイプを 太めのものに取り替えると改善されることがわかったが、やはり 水換えを機会にモーターも取り替えた。これは、まだ2ヶ月程度でしかない。


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