Ken Mizunoのタバコのけむり?

Hangeul-Lab Ayase, Tokyo
Ken Mizuno

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最近数年の記事の総目次
この時期の前後の 目次


(20040620-1) この 「日記」 の記事 並び順、変更実験します

この 「日記」 は 「ごく少数の読者」 しか持っていないが、中には真剣に読んでくださる方がいる。そこから出る苦情として、プリンタに出して ゆっくり読みたいが、時間が逆順で読みにくいこと この上ない、と。
書くときは 「最後の記事の 『上』」 に、つまり次々と 「最上位」 に追記するので、時間は逆順になる。そのとき、「連載」 ものは、最後の記事が先頭に来る。たしかに、読みにくい。それを少しでも救えないかと、総目次では時間順に並べ替えたり、「連載」 記事では必ず 「次の記事へ」、「先頭の記事へ」 というボタンを用意してきたのだが、それでも ファイル単位で プリンタに出して見ると、「この記事の続きは どこにあるのだ」 と、「読みにくいこと この上ない」 ことを認めざるを得ない。

そこで、ここから実験してみる。
まず、記事はその時点の (多くは月単位の) ファイルの末尾に追記する。これで、記事の並び順は時間を追ったものになる。
このままだと、ハングル工房・綾瀬のトップ・ページからボタンで たどってくださる場合は、いつも 「その月の最初の記事」 から読まされることになるので、具合が悪い。そこで、トップ・ページから たどってくださる場合は、いきなり 「最新の記事」 が表示されるようにする。いきなり 「最新の記事」 に飛ぶと、「Ken Mizuno のタバコのけむり?」 というタイトルが表示から外れてしまうが、それは 止むを得ない。読者の端末機が現代のパソコンなら、この 「窓」 自身のタイトル・バーにそれは出るので、まあ それでよいことにする。
その代わり、記事 (この記事 = 最後の記事) の下には、「目次」 と 「総目次」 へのボタンを追加する。つまり、いきなり 「過去の記事リスト」 に飛べるようにしておく。
しばらく、これでやってみたい。ここには少数の読者しかいないが、そのまたごく少数の方には便利になるか 逆に また混乱のもとになるかは わからない。が、少なくとも 「紙に出して 上から順に時間順」 になるので、そこだけは改善になるだろうと思う。

なお、もしこれで好調だとしても、過去数年の記事 (ファイル) を書き換える意思はない。過去の記事をいじっている余裕がないことが第1の理由、また、もし そうするなら過去の記事を機械的に書き換えるべきであり、手操作でそんなことをやる気はないので、そのための専用ソフトを作るのが早い、が、その 「1回限り」 のソフトを書いている余裕がないのが第1’の理由。それに、過去の記事をもし (読者が) 読み返す必要があるとしたら、各回ごとの 「1回完結」 で理解できなかったということで、それならそれで書き直すのがよい、故に過去の記事は過去にあったままとし、今後の記事は いずれ最新情報をもって書き直すべしというのが 第2の理由になる。
第3の理由は、これは僕個人のある種の 「日記」 帳なので、過去の日記を 「書き直す」 べきではない という気持が残っていることである。


(20040621-1) 「日記」 の記事 並び順、実験 第2の記事 − 子育てと日本語のアクセント・システム

「実験」 つまり、今後の記事は このように 次々と 「下に」 追記することにする。
それだけ書いてもつまらないので、多少 雑談を、以下。

僕は日本の 「遠州」 東部の生まれで、現在は東京都の東北端に住んでいる。
現在はここに住んでいるが、はじめて 田舎を離れて暮らしたのは 19才になる直前だった。従って僕の母語は 田舎、つまりその地方の言語である。が、子どもたちはそうではない。上の子 (9才、4年生) は、すっかり 「現地」 つまり東京 東北端の方言を身につけている; この 「方言」 とは日本語のアクセント系を含むもので、例えば僕の母語で 「橋を渡る」 は
しをわたる
だが、9才の子のアクセントは
をわたる
である。後者の方言の話者によると、前者は 「端を渡る」 ように聞こえるそうだ。とんち話の 「一休さん」 が 「この はしを わたる べからず」 という立て札を見て、橋の真中を平然と渡った話; あれは、一休さんの地方で 「橋を渡る」 と 「端を渡る」 に言語的な (アクセント的な) 差がないことを物語る (この話は前にも書いた)。事実、僕の母語では、
しをわたる
は、「橋」 と聞いても 「端」 と聞いても、どちらにでも取れる; 区別は文脈に依存する; いきなりこの発話を聞かされれば デフォルトで 「橋」 に落ちる。だから 「橋」 の 「端」 を渡るなら
しのしをわたる
と言わなければならないが、ただし これでは 「橋の端を渡る」 のか、「端の橋を渡る」 のか、さらに 「端の端 = 一番すみっこ」 を渡るのか、まったくわからない。僕の母語はそういう言語なのだ。一方 これを東京方言で発話するなら、
のはしをわたる
しのをわたる
しのしをわたる
とアクセントを明示しなければならない (だから 「東京語は合理的」 だ? べらぼうめ、ヒヒと獅子の区別もつかないくせに)。

実はこれが、日本語のアクセントというシステムの特徴で、この 「日本語のアクセント」 には 「高・低」 の移動点とともに、「高アクセントが膠着部を道連れにする」 ものがある。前にも書いた話だが、金田一京助の国語辞典には これが明示してある; 明示されているのは 東京方言 ないしは 「標準語」 のアクセントで、この辞典では こうなる:
はし (1) 箸
はし (2) 橋
はし (0) 端
数字は、アクセントのある音節の位置。「はし(箸)」 は 「し」 で異論の余地がない。「はし(橋)」 は第2音節にアクセントがある、つまり 「は」 なのだが、それは それに続く助詞・動詞を道連れにしないので 「はをわたる」 と すぐ落ちてしまう。ところが 「はし(端)」 は、東京方言でも その膠着部以下を道連れに 「はしをわたる」 と、なる。それが アクセント記号 (0) の意味である。

前にも書いた通り、僕の生まれ育った地方は、関東と関西の中間地点、方言の 「まだら模様の分布」 を見せる、フィールド・ワークには好適というべきか最悪というべきか、そういう位置にある。
最近、もう1つの単語に出会った。4年生と、6月の 「梅雨(つゆ)」 を話題にした。
ゆのせつ」 か
「つゆのきせつ」 か
「季節」 のアクセント位置は (1) で、これに対立はない。が、ところが僕は 「ゆ」(アクセント位置 (1))、彼女は 「つゆの」(アクセント位置 (0)) なので、ある。ふうむ。「橋」 は僕が (0) だったが、「梅雨」 は彼女のほうが (0) なのだ。なるほどね。

なお、「母語」 とは、べつに 「母」 の言葉ではない。この子の母親は広東語のネイティブ・スピーカーだが、母親は その 「母」 の言葉を子に 「移植」 することはできなかった。一方僕は、この子に 「日本語のシャワー」 を浴びせることを目的に、0才以来 保育園、幼稚園と、日本語環境に放り込むことを意図していた − それでないと、この子の (まさに) 母語の形成が遅れるだろうと考えたからだ。この子は、3才で日本語5母音が安定した。この子は以後、よくも悪くも、日本語のネイティブ・スピーカーと言ってよい歩みを示している。


(20040622-1) 台風で ADSL モデムが壊れた

月曜日、僕が職場に行くころ、台風はまだ四国あたりにいた。東京の道路はまだ乾いていて、雨も降っていないので、自転車で出た。駅前の自転車置き場を出るとき、一応 傘を持った。職場の前の地下鉄の駅を上がると、傘が要る程度の雨になった。それから数時間、けっこう台風らしい雨と風が吹いた。東京から東に帰る路線の人は (この方向の鉄道は、多く線路の品位が低い。冠水するとすぐ止まる) 早めに帰った。職場は僕一人になった。そのうち、雨が上がった。僕が帰るころには、路面はまた乾いていたので、自転車で帰った。

その夜は、深夜1時だったか から、プロバイダのメール・サーバ補修で メール停止が予告されていた。朝8時までかける大改修らしい。それを忘れていて、いざメールを出そうと思って、つながらない − そういえば。だから、ブラウザが動かない (反応がない) のも、不思議に思わなかった。メール・サーバのメンテで、ついでに Web 閲覧のほうも止まっている、ふむ、このプロバイダ、最近 ちょっと質が落ちたかな、と考えた。

朝といっても昼近く、再度メール・チェックと Web 上のニュースを見ようと思った。つながらない。ん? ふと見ると、ADSL モデムのランプがすべて消えている。おいおい、ちびども、こんなところの電源を抜いたのかい。でも電源コンセントは、本の山の裏側に隠れている。ったくもう、まさか こんなところを引っこ抜いたのか? 抜けていない。抜き差し してみる。ルーターと 電話交換機 (元は ISDNルーター) の電気が落ち、また上がる。ADSL モデムだけ、だんまり。こりゃ故障だな。よく見ると、ADSL モデムだけが接地 (アース) 線がつないでない ・・・ 3年前、通信できたと同時に、忘れたままだ。その直後はともかく、それから3年間 一度も モデムの電源を抜いたことはない。そのままだった。

NTT Flets 1.5M ADSL。関係する電話番号、2つめでつながった。
− 電源ランプも消えてますか?
− 消えてます
(中略)
− 昨日の台風で、混んでいるかもしれないので、明日その時間にいけるかどうか確認します
なんだ、やっぱり台風か。モデムの故障とわかっているので、送ってくれれば自分でやるよと言ってみたのだが、故障の場合は現場に人が行くことになっているのだそうだ。たしかに、故障が回線側に起因することもありうるから、そうかもしれない。

昨日の台風で、関東に落雷があったようには思えない。特に停電したという話もない。が、ADSL は電源線ではない、電話線である。昔のままのアナログ電話だけなら、「通話中」 でない限り 電話線に 「電気」 は流れていない。が、今では ISDN も ADSL もある。ISDN 常時接続はもう淘汰されたが、アナログ電話線の ADSL は増えている。アナログ電話は、最大 60V(?) だったかの電圧がある。昔なら 「通話中」 だけだが、常時接続の ADSL の回線は いつも生きている。これが風で切れたり接触したりすれば、事故はありうる。うちに来ている ADSL は、「電話」 を使っていないので スプリッターも付いていない。従って、回線上のサージ つまり 突発的/瞬間的な高電圧には ひとたまりもなさそうだ。むしろ、3年間 一度も事故がなかったのが不思議なくらいだ。

ちょうどいい機会か、「光」 B-Flets にしてしまおうか − と、一瞬 考えた。が、それには 「工事」 までの待ち時間がある。とりあえず、現状 1.5M ADSL を復旧しないと、生活に支障をきたす。明日午前まで、インターネットはない。回線がない以上、Web ニュースも メールも Webメールもできない。自分にどんなメールが来ているのかもわからない。昼の間は職場で 個人プロバイダ上のメールも見ているが、自宅でそれができないとは。「まるで世の中から隔絶されたような気分」 とは、こんな感じを言うのだろうか。

電話もある、TV も見える、パソコン TV も、パソコン上のビデオもある。新聞も来る。自宅内のパソコン間の通信も、ISDN 電話の通話履歴も 「家庭内 LAN」 で見える。FAX でさえパソコンから出せ、受けられる − それなのに、この 「隔絶された感じ」 は不思議だ。昔、破産直前の父が言っていた: どんなに苦しくても TV と新聞だけは手放せない、世の中から隔絶するのだけは寂しい、と。
ADSL モデム 1つ故障しただけで、こんな気分になるのは驚きだ。

代替手段? 14400 アナログ電話モデムがある。これを ISDN アナログ電話口につないであるが、5年以上放置してある。つまり ADSL にする前、ISDN ルーターで 「家庭内 LAN」 ができてから、使ったことがない。まして、今から 「ダイヤル・アップ」 をパソコンでやる気は − ないのだ。もう、「電話のインターネット」 はやりたくない。

そういうわけで、いま書いているこの記事も、明日 ADSLモデムを交換してから アップロードすることになる。
「翌日 朝」の結果:
工事屋さんが、ADSL モデムを1つ抱えてやってきた。故障したモデルは初期のもので、今になって電源の 「初期」 不良が出はじめているのだそうだ。電話で お姉さんが 「電源ランプも消えてますか?」 と聞いてきたのは、そのせいか。ちょうど台風で、たまたま電話線にサージが飛んだのを機会に故障した、のだろうな。
工事屋さんの持ってきたモデムは 「8M 対応」 なのだそうだ。じゃ、回線契約も 8M にしようかしら。せっかくプロが来たので、アパートに届いている 「光」 ケーブルの様子を見てもらった。たしかに USEN が一本。NTT Flets の 「光」 は来ていない。ADSL だけを 8M に乗り換えるくらいで 妥協しておくか。

(20040625-1) 世の 「ブロードバンド」 事情 − NTT B-Flets 「マンション・タイプ」

先日、古い恩師のご自宅に行った。懸案だった 「光」 ネットワーク回線化、具体的には NTT B-Flets の 「マンション・タイプ」 という契約で、午前のうちに工事は完了、昼前 僕が到着、そこでルーターを介して実際に接続、という段取りだった。

何に驚いたかというと − 図を描くといいのだが面倒なので 言葉で説明する − 壁際からモデムまでの配線の複雑さだった。「壁際に、単に LAN コネクタが来ているだけ」 を期待した僕には、やや衝撃だった。

壁際には、今までと同じ電話線コネクタだけ。ここに、普通のアナログ電話と 「光 100M」 の高周波が、重ねられてマンションの壁際に届いていた。そこから二股に別れて、一方は電話線、一方は インターネット。インターネット側は直接 「VDSL モデム」 につながっていて、ここまでは工事屋さんが接続確認ずみである。
二股に分かれた他の一方、つまり電話線には、だいたい 3cm x 3cm x 10cm くらいの細長い箱が つながっている。ADSL の 「スプリッター」 よりだいぶ大きい。「巨大」 という形容詞を使いたいほどの箱である。壁際からは、ごく普通の電話線に 100Mbps を運ぶ高周波が来ているのだから、この高周波は あるいは普通の電話機や FAX機を故障させるか、誤動作させる可能性がある。だから、この箱は 高周波遮断器である。開けてみれば、おそらく巨大なコイルが入っているにちがいない。これの先が、文字通り 「普通の」 電話線になる。うーむ、これじゃ わかりませんな。やはり図を描こう:

「光 マンション・タイプ」 末端の電線
ADSL の人には想像できないだろうが (事実 僕は驚いた)、壁際の振り分けは、昔ながらの 「電話線の振り分け」 二股分岐にすぎない。そこに 「スプリッタ」 は ない。青い四角が 「高周波遮断器」 と思われる。これで、「光 100M」 を電気に変換した高周波を切り捨て、残るアナログ電話信号だけをアナログ電話に伝える。

インターネット側は、まず 「VDSL モデム」 に入るが、ここに 「アナログ遮断器」 はない。「100Mbps」 を乗せるような電気の高周波搬送波は GHz 帯のはず。その高周波を扱うのだから、アナログ電話程度の 「余計な信号」 は 「屁でもない」 わけである (アナログ電話では、人間の声がそのまま電気の波になって運ばれる。電話に乗る人間の声の上限は、せいぜい 4KHz くらいだ。100MHz を相手にしても比較の対象外だし、その 「100M」 を運ぶ GHz 帯とは天文学的な差がある)。

ところで、「光 100M」なのに、なぜ 「電話線」 つまり 「電線」 なのだろう?
実は、「光」 ケーブルが届いているのは、マンションの一角、屋上か あるいは ケーブル類 引き込み専用の一角があって、そこまで。そこでいったん 「電気」 に変換しているからだ。この変換をする機械があって、そこから電気で各戸に分配する。分配はするが、その際、これは ケーブル TV とちがって、各戸が個別に通信をする、言い換えると 通信にプライバシーが発生する。それを、普通に TV のように分配すると、各戸間が筒抜けになる、つまり 「隣の (よその) パソコン同士が互いに見えてしまう」。そこで考えられたらしいのが VDSL − Virtual DSL − で、この分配過程で、各戸間を論理的に切り離してしまう、つまり ADSL のように 「あたかも自分一人だけがその回線を占有して NTT 局まで」 つないでいるかのように見せるのが VDSL である。
なお、DSL という言葉は Digital Subscriber's Line で、その言葉自体には意味がない。が、アナログ電話線が使っていない高周波域を使う、というのが、XDSL 一般のやり方である。その典型が ADSL で、これは Asymmetric DSL、つまり 上り・下り 「非対称」 な速度で通信するタイプ。DSL 一般に、回線は 「電話線」 なので品質が悪く、「電話局からの距離」 による性能低下が激しい。だからこそ、「より多く使う 下り」 伝送を優先するのが ADSL。それでも、距離が遠いと NTT は断ってくるし、それでもとにかくつないでしまうのが YahooBB である。
で、「光」 の 「この」 場合、DSL の両端は マンション内部の 「至近距離」 にある。だから、電気的な性能低下はほとんど問題にならないので、マンション内での分配は DSL でやってしまえ、100M 充分に保証できる、というわけである。

図では、赤い四角で囲んだところまでが工事屋さんの仕事で、その先は客の勝手、または客を途方に暮れさせて工事屋さんは帰ってしまう。ここから先、つまり VSDL モデムをパソコンに直結せず、間にもう1つ 「ルーター Router (余談だが アメリカ人の中には これを 「ラウター」 と発音する者がいる)」 をはさむのが、その日の僕の仕事だった。ここでルーターを使わないと、パソコンはインターネットに直結で常時接続、本当に直結で常時接続すると、過去には MS-Blaster、最近では Sasser と呼ばれるのが出た、「つないでいるだけで」 攻撃をかけてくる (メールを見なくても、Web サイトを見なくても、つないでいるだけで 「当家が攻撃・感染の対象となる」) 類型のウィルスに ひとたまりもないからだ。と同時に、ルーターを使えば、家庭内に複数のパソコンがある場合に、その家庭内での Web 閲覧やメールが 互いに無関係に、並行して動作する; しかも互いのプライバシーが確保できる (つまり、父と娘の間で、娘のプライバシーが確保できる) ようになる。
このあたりは、昨年9月の連載で説明したので、「この」 ページ 上下端にある 「最近の目次」 または 「総目次」 から、その前後を参照されたい。

この日の結果:
わが師の2台のパソコン、そのお嬢様のパソコン、都合3台 並べて、1台はインターネット動画ニュース、1台は Windows Update、1台は Yahoo 「車」 情報 写真入りページが、同時にストレスなく動作する。お嬢さんが言った: 「絵」って、(今までの電話ダイヤル・アップでは) もやもやっとだんだん出て来たけど、(今度は) ぱっと出る。
そう。アナログ電話のダイヤル・アップと 100M では、4桁ちがうのだ。比較にならない。
ただし、そのマンション内で 「光」 100M を共有する家庭が増えてくると、次第に遅くなる・かもしれない。が、それはトラフィックが集中するときだけである。真昼、深夜といった時間帯では、この速度は今後 数年以上 安泰だろうと予想している。

ただし の (2)。
Windows Update では、「光 100M」 であるにもかかわらず、なんだか やたらに時間がかかるケースに出会った。具体的には、IE 6 の更新である。これには、30分もかかった。パソコンのランプを見ていると、どうも 「ダウンロード」 自体は早いが、それをハード・ディスクに展開するのが遅い。ノート型パソコンでは、まだ小型 2.5" HDD がひどく遅いものがある。IE 6 以外でも、「まずダウンロード、その後にインストール」 するものでは、ダウンロードはたちまち終了するのに、「その後」 のインストール作業が ひどく遅い。これも、ノート型パソコン 「遅い」 ハード・ディスクの問題、あるいは CPU 自身の速度が関係することもある (CPU 500MHz級だと、それが露骨に出る)
もっとも、同じものを 「電話」 でダウンロードすると、ダウンロードに 「ひとっ風呂 浴びてくる」 ほどの時間 (つまり4桁多い時間) がかかるので、その後のインストール作業時間を 「遅い」 と感じることがない。皮肉な話だが、「通信」 が速くなると、今度は 「機械」 (HDD, CPU) の遅さが気になりだす。それはもう いたちごっこで、今は どうしようもないことである。


(20040627-1) ゴム動力の模型飛行機

これは、現在の 40代後半+の方には なつかしいはずである。「となりのトトロ」 でも、さつきが傘を返しに行った かんちゃんの家では、かんちゃんが ちょうど これを組み立てている。

僕自身が それを 「作った」 (組み立てた) 最初の時期がいつなのか、明瞭ではない。
その初期のセットでは、基本的なプロペラや脚、胴体になる単なる角棒の他に、翼の外縁骨格になる竹ヒゴと、それをつなぐ アルミ製の 「ニューム管」 が付いていた。竹ヒゴはすべてまっすぐ、直線状のものなので、翼端を丸めるために ローソクが必要; つまり ローソクの火にかざして、竹ヒゴが燃えないよう近からず遠からず、その熱で やわらかくして 変形させ、翼端の 「丸」 型を作る必要があった。僕の記憶では、これは ものすごく 難しい。おそらく最初は、父がその部分をやってくれたのだと思う。と同時に、「難しい」 という記憶がある以上、次には僕自身がそれをやったにちがいない。

が、時代が わずかに変ったころ、この種のセットには、翼端の外縁骨格となる竹ヒゴは、既に 「曲げた」 状態でセットに入っていた。この時代のセットには実物大の 「設計図」 が付いていて、セット完成時の姿 原寸大、その上に各部品 (竹ヒゴと、翼型を作り翼の強度をも保証する リブ Lib) の位置関係が示されていた。完成した機が美しく飛ぶかどうかは、どれだけ正確にこの図の通り部品を配置し接続するか、に、かかっていた。もちろん、翼 外縁はその竹ヒゴ、翼端は同じ竹ヒゴを丸く曲げたものなので、その接続は アルミ 「ニューム管」 である。多くの場合、この接続点で上半角を付ける、つまり この時代のゴム動力 模型飛行機は、主翼両端近くだけに上半角がついていた (現代のハイテク・ジャンボ は両翼端に 「ウィングレット」 が付いているが、ゴム動力機は 1960年ころに同じことをやっているわけである)。この 「ニューム管」 はアルミ製なので、「曲げる」 のは1回限りである。曲げ方を誤って 修正を試みると、アルミ管は簡単に破壊、つまり折れてしまう。その 「たった1度だけ」 の 「曲げ」 工作が、「ゴム動力機 作成 (組み立て)」 のノウハウであり 「秘儀」 で、あった!

そうして組み立てた主翼 骨格には、やはりセットに同梱されている薄紙を張る。この薄紙こそ 「主翼」 であって、それが揚力を発生するわけである。つまり、ゴム動力機 一般は、第1次大戦、あるいは 1930年ころ中国大陸に 「爆撃」 に出た日本の飛行機と同じで、「木と紙」 でできた飛行機だった。

それから 70年 (中国大陸爆撃から)、または 40年 (僕の子ども時代から)。
昔ながらの 「ゴム動力 飛行機」 つまり 竹ヒゴとバルサのリブで主翼を組み立てるセットは、数年前までは発見できた。が、今はもうない。
発見したのは、主翼・尾翼とも発泡スチロールのものである。もう、「設計図」 は付いていない。プロペラ、脚、ゴム動力までは同じだが、翼自体は できあがったものをテープで ぺたぺた貼り付けるだけ。触れ込みとしては 「入門者向」、全長 360mm、翼幅 390mm。実験に手投げしてみたが、どうも よくわからない。えい、ゴム巻いて飛ばして見るか。

結果:
右回り、半径5m、つまり直径 10m ほどの円を描いて動力が切れ、落ちてくる。落ちてくるとき、素直に 「着陸」 姿勢で落ちるのは、我ながら組み立て精度が高かったことを意味するので、満足する (精度が悪いと、頭または尻から地面に突っ込む)。
なぜ 「右回り」 するのか、これはセットの精度で、プロペラ軸が わずかに右に傾いているからである。ま、そんなもんだわ。¥300 だからなあ。

「ゴム動力機」 では、やってみたいまま ついに実現しなかったものがある。
ゴムを限界直前まで巻く; この状態で、機を垂直に放す; 機は垂直上昇し、ゴムという動力が切れたところで反転、姿勢を変えて以後グライディングに入る; このグライダー飛行の時間を競う競技種目が存在する。機の設計、グライディング中の特性、つまり ゆるやかな円を描きつつ いかにして元の出発点近くに戻ることができるか。これは、今からでもやってみたいことだ。ただ、今の生活地では、その物理的空間がない。

もう1つの方向としては、「室内機」 がある。広いところでは学校の体育館程度、さらに狭くなれば、2DK 程度のマンションの室内を、数分間 「飛び」 つづける飛行機である。これには、超 極薄の主翼膜と、超 低速の 「ゴム動力」 が要求される。
それを見透かしたように、たしか 「タカラ」 が、「室内専用」 ラジコンの 「飛行船」 を販売したことがある。それは、ヘリウム風船と同じ飛行船にラジコン操作を加えたものだった。ただ、ヘリウムによる室内浮遊が前提となると、そのヘリウム・ガスの充填が問題になる。ディズニーのアルミ、ヘリウム風船のボンベを買ったことのある方はご存知の通り、あれは高い。1個のアルミ風船を充填し浮遊させるには、数百円かかる。1つのボンベはラフに¥1,500、これで充填できる風船はせいぜい2つが限界なので、「遊び」 の道具としては 「非常識」 な範囲に落ちるのだ。


(20040630-1) でも、ヘリウムの小売ボンベ、もう売っていない

トイザラスで アルミ風船用の 「ガス」 ボンベ、つまり キンチョールより少し長いくらいの 「手軽な」 ヘリウムのボンベを売っていたのは、もう数年前のことだ。以後、見ていない。あれがないと、ラジコンの飛行船は作れない (作れても、飛ばせない)。

現代のラジコンのおもちゃは、ごく簡単である。小さな基盤1つに収まっている。電池は重いが、飛行船なら ボタン電池を使えばよい; これで3軸方向の小型モーターは回るので、充分。これで充分に浮く −
しかしねえ、アルミ風船の寿命をご存知だろうか? 普通のゴム風船に空気を入れただけでも、寿命はせいぜい数時間。これにヘリウムを充填しても、ほんの何分も持たない。ヘリウム分子は小さいので、あっという間に ゴムの分子の間をすり抜けて 逃げてしまうのだ。だから、より密閉度の高いアルミ製になるのだが、これも せいぜい 半日の命。翌日には地面に落ちている。
ということは、ヘリウムを使ったラジコンの飛行船は、「遊ぶ」 たびにガス充填する必要がある。その補充、売った側からは 今でも供給が続いているのだろうか? あんまり そんな気がしない。買いました。一度 飛ばせました。落ちました。ガスはもうありません。あの飛行船、今でも飛ばしている方は、ぜひとも教えてくださいな。はたして 「ガス」 のカセット、どこで売っているのか。


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